更年期うつに似た他の病気には何があるの?

うつ病だけじゃない?!「うつ状態」になる他の病気 

うつ状態を引き起こす、うつ病と似た心の病気は、まだまだたくさんあります。しかも、必ずしも、更年期の自律神経のバランスの崩れが原因ではない病気もあります。

 

更年期障害と思っていたら、実は違う病気だということも、大いにあり得ます。思い当たる症状がでたら、まずは医療機関を受診することが、大切。症状がひどくなる前に、できるだけ早く、治療を始めましょう。


「摂食障害」…拒食症と過食症の総称。食べることに対する恐怖感が引き金に!

摂食障害には、2種類あり、極端に食べられなくなる「拒食症」と、異常に大食いしてしまう「過食症」があります。拒食症と過食症は、一見、かけ離れた症状のようですが、実は同じ病態で、「拒食症⇒過食症」という風に、症状をいったりきたりする方も、2割ほど見られます。

 

*拒食症の特徴

「自分は太っていて醜い」という思い込から、標準的な体重であっても、さらに痩せようと食事制限を続けてしまいます。体重が少しでも増えることに対して、異様に恐怖を感じ、食べると吐いたり、わざと下剤で排出したりすることもあります。食事制限を始めた当初は、意識的に食事制限をしていますが、食べようとしても食べることができなくなることもあります。拒食症の人は、体力や気力が落ち、皮膚からもうるおいがなくなります。

 

*拒食症の主な症状

肥満への極度の恐怖感、極度にやせている、食べると嘔吐する。無月経、思考力が低下する、むくみがひどい、低血圧。

 

*過食症の主な症状

お腹がすいていなくても、異常に食べてしまう、肥満への恐怖感が強い、体重の増減が激しい、よく嘔吐する、月経不順、低カリウム血症

 

境界性パーソナリティ障害…感情の移り変わりが激しく対人関係が築けない障害

女性は、男性に比べると、比較的、感情にふりまわされやすい傾向がありますが、更年期になると、体調の変化から、気分や感情がコロコロ変わることがあります。

 

この感情や気分が、安定している時間が非常に短く、対人関係に問題が生じるようになると、教会性パーソナリティ障害の可能性があります。

 

この症状の場合、幼いころの親子関係に問題がある場合が多く、更年期の体調の変化が直接の原因とはいえない障害でもあります。

 

境界性パーソナリティ障害の方の特徴

・感情のコントロールがうまくいかず、気分が安定している時間が短く、極めて不安定。
・非常に傷つきやすく、愛する人に見捨てられるのではないかという不安感が強い
・うまく対人関係を築くことができない
・自分に強いこだわりを持っている
・常に、むなしさを感じている
・考え方が極端に偏っている場合が多い

 

境界性パーソナリティ障害は、感情の波が小刻みに変わることが多く、感情のコントロールが難しく、日によって、同じ人に対しても、態度が違うことがしばしばあります。

 

「愛されているかどうか」ということに、執着心が強く、親しい人が困るような行動を起こすことで、「それでも私を愛してくれるかどうか?」を無意識のうちに試す傾向があります。感情の赴くまま、問題行動を起こしますが、そのような行動をとってしまう自分に対して、嫌気がさしてしまい、空虚感やむなしさで心がいっぱいになります。

 

幼いころに、親子関係の歪みがあった方に多くみられる症状です。幼少期に虐待を受けたり、親からの過剰な干渉があることも、障害に大きな影響を及ぼしていると考えられています。

 

*境界性パーソナリティ障害の治療方法

生まれ育った環境や、長年の経験の積み重ねが、人格形成に大きな影響を及ぼしています。人格(パーソナリティ)や性格を、一朝一夕に変えることは簡単ではありませんが、本人が強く治したいと思うこと、周囲の協力を得る事で、治療していくことが大切です。精神分析的な精神療法や、認知行動療法などが、治療の柱になります。

 

統合失調症…脳の働きの障害で幻覚や妄想が起こる症状

20歳前後で発症するケースが多い症状ですが、10〜50歳と幅広い年代の方が発症する病気です。統合失調症は、脳の働きに障害が生じて、幻覚や幻聴が起こるケースが多く、症状がひどくなると、通常の日常生活を送ることが難しくなるのが特徴があります。

 

統合失調症が起こる原因は、よくわかっていないのが現状ですが、脳内の神経伝達物質ドーパミンが働きすぎることが一因ではないかといわれています。そのため、治療には、ドーパミンの作用を抑制する抗精神薬を中心に使用し、薬で症状が緩和してくると、リハビリを行う方法がとられています。

 

*統合失調症の主な症状

 

(慢性的ではないが、突如、起こる症状)
・幻覚(幽霊が見える、人には見えないものが見えるなど)
・幻聴(本人にだけ聞こえる言葉がある、嫌がらせの音が聞こえるなど)
・幻臭(本人にだけ感じる臭いがある)
・妄想(被害妄想、誇大妄想)
・話に一貫性がなく、独り言を繰り返すなどの行動がある。

 

(慢性的にみられる症状)
・意欲がなく、何もする気が起きない
・人とつきあうことが苦痛
・異常に疲れやすく、家に閉じこもりがちになる
・物事に興味がわかない
・自分が病気だという自覚はない

 

*統合失調症の治療方法

最初は、ドーパミンの作用を抑える抗精神薬を服用し、症状を落ち着かせることから治療が始まります。薬で、症状が緩和してきたら、症状に合わせて、リハビリを行います。仕事の集中力などを高める「作業療法」や、生活技能を獲得する「生活技能訓練」など、さまざまな方法があります。

 

認知症…単純な物忘れではなく、記憶障害が起こる病気

認知症は老人だけがかかると思いがちですが、30代や40代でも、若年性の認知症になることがあります。認知症の約60%は、アルツハイマー型認知症で、約30%は脳血管性認知症です。

 

【認知症の主なタイプ】

 

*アルツハイマー型認知症
脳内に、アミロイドという特殊なタンパク質が蓄積することで、健康な脳細胞を破壊し、脳の機能を衰えさせていきます。脳そのものが委縮していく特徴があります。

 

*脳血管性認知症
脳の動脈硬化が原因で、多発性脳こうそくや脳出血が起こることが原因で、脳内に必要な酸素や栄養素が補給できなくなり、脳の神経細胞が変性して起こります。

 

*認知症の症状

 

認知症になると、記憶障害が起こります。
「昨日、食べたものが思い出せない」、「誰と会ったか思い出せない」など、これだけなら、単なる物忘れともいえますが、認知症の場合は、その出来事そのもの全てが、記憶から欠落します。

 

また、記憶障害だけではなく、簡単な計算ができなくなったり、文字がかけなくなるなど、知能機能そのものにも影響がでてきます。何かをするという意欲や、集中力が低下するため、うつ病と間違えやすい病気でもあります。

 

*認知症の治療法

 

現在の医学では、認知症を完治させる方法は、ありません。今、出ている症状の進行を、遅らせる、現状維持する、軽くすることは可能で、主に、薬物療法とリハビリの2本柱が主な治療方法となっています。

 

薬物療法は、脳の機能低下を抑える抗認知症薬を使用したり、少量の抗精神薬を使用する場合もあります。リハビリは、書き取りや計算など、脳の機能に刺激を与えて、脳の働きを活性化させる方法など、症状に合わせた方法がとられています。

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