更年期の症状|空の巣症候群|更年期女性に多発?「空の巣症候群」とは?

40〜50代女性に多発する!?更年期にやってくる「空の巣症候群」とは?

「空の巣症候群」(からのすしょうこうぐん)という言葉を、ご存知でしょうか?

 

これは、生きがいだった子どもが独立したあと、40〜50代の女性に多くみられる「抑うつ症状」です。ちょうど、更年期の不調と重なって、そのまま深刻な「うつ病」になるケースも少なくありません。

 

「空の巣症候群」とは、いったいどんな症状を引き起こすのでしょうか?また、その防止策とは? 詳しく解説していきましょう。


「空の巣症候群」とは? その症状と原因になるもの

40〜50代といえば、ちょうど、子どもに手がかからなくなる時期と重なります。

 

とくに、大学進学や就職などで子供が独立すると、「空虚感」にさいなまれ、何もかも億劫になったり、元気がなくなる女性も少なくありません。

 

人は、自分で意識していなくても、何か「生きがい」や「毎日のはりあい」を必要としながら生きています。

 

「生きがい」は、「自分の存在価値」と同じでもあります。人は、誰かに必要とされていると感じるときに、「生きがい」や「はりあい」を感じます。

 

子どもにこんなことを言っていませんでしたか

「ちゃんと勉強しなさい!」
「ご飯の時間よ。早く食べなさい」
「洗濯物だしなさい!」
「部屋を片付けなさい」
「もう!お母さんがいないと何にもできないんだから」

 

毎日、口うるさく世話をしていた子供たち。「手間がかかって大変!」と思っていても、「わたしがいないと何もできないんだから…」と思えること自体が、ご自身の存在価値をゆるぎないものにしていたのです。

 

 

「存在価値」=「生きがい」 これを失うと調子が悪くなります

 

女性にとっての子どもは、まさに、その「生きがい」。

 

今まで、「子どもには依存していない」と思っていた女性でも、独立して実際にいなくなってみると、「その存在がいかに大きかったのか」に気づかされます。

 

「生きがい」や「はりあい」は、何も子どもの存在だけが重要なわけではありません。

 

趣味や仕事など、何か打ち込めるものを持っている場合は、その空虚感も、時間と共にやわらいでいくものですが、そういうものがない場合は、いつまでも引きずってしまいます。

 

すると、精神的に追い詰められて、抑うつ状態になってしまうのも、自然な流れなのです。

 

引きずり続けると「うつ」になってしまうことも!

 

更年期の女性は、女性ホルモンが急激に減少して、精神状態も不安定になりがちです。イライラして怒りっぽくなったり、何もやる気がおきなくなったりするのも、代表的な更年期の症状。

 

ちょうどこの時期に子供が巣立つと、大きなストレスが重なって、更年期の症状を重くしてしまいます。

 

どんな更年期の症状も、何かしらストレスが最後の引き金。とたんに心の調子が悪くなって、「空の巣症候群」になることも少なくありません。しかも、これは「うつ病予備軍」となり、本格的に治療が必要な「うつ病」になる可能性も高いのです。


自分の価値を感じていた「何かを失ったとき」が要注意!

「空の巣症候群」になるきっかけは、子供だけではありません。何かを失って、自分の存在価値を認められなくなったとき。これが、「空の巣症候群」を発症させる大きな原因になります。

 

例えば、こんなケースでも、「空の巣症候群」になることがあります。

 

空の巣症候群になる!他の事例

 

・自分にしかできないと思っていた仕事をやめた
・手取り足取り、面倒を見ていた部下がやめた
・配偶者や友だちなど、大事な人を失った
・大切なペットがいなくなった、亡くなった

 

自分の存在価値を感じられる場所を失ったとき。人は、生きていく力が、急激に減退してしまいます。「空の巣症候群」は、自分を支えていた何かをなくしたときに起こります。抑うつ状態やうつ病になるのも、こういう精神的なきっかけが存在しているのです。

 


「空の巣症候群」を防止するにはどうしたらいいの?

「空の巣症候群」を防止するには、自分の存在価値を感じる場所や生きがいを、何かひとつに依存しないこと。これが、最大の防御策です。

 

生きがいといっても、そんなにたいそうに考える必要はありません。「時間を忘れられるほど、打ち込める何か」で充分。

 

例えば、「韓国ドラマを見ているとき、時間を忘れる」「続きを見るのが楽しみ」ということでも、よいのです。

 

「存在価値を感じる」とまでいかなくても、「ワクワクすること」「ときめくこと」をもつことは、「毎日のはりあい」になります。これがあれば、ひどい抑うつ状態にさいなまれることはありません。

 

子どもの独立や仕事のことは、ある程度予測ができることも多いはず。

 

「独立するのは、数年後くらいかも」「もうすぐ、仕事内容が変わるかもしれない」。こう予測をたてたら、それまでに何かを見つけておくこと。

 

もちろん、いま既に抑うつ感にさいなまれているなら、今からワクワクすることを探しても遅くはありません。配偶者との人間関係を見直すのも得策です。

 

大きなストレスになる前に、居心地のいい場所や人間関係を再構築するのも、空の巣症候群で苦しまないための方策です。


空の巣症候群に対処するにはストレス防止が不可欠です!

症状をひどくするのは、重なるストレスです。ストレスに関す記事はこちらにまとめています。あわせてご参照ください。

 

更年期のストレス防止策まとめ

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