更年期と似た他の病気14|「症状がひどい」のは、実は「自律神経失調症」かも?
更年期になると、ほとんどの人が、「何らかの不調を感じる」もの。
でも、その「症状の重さ」には個人差があります。もし、他の人と比べて、「症状がひどすぎる」という方は、もしかすると、実は「自律神経失調症」かもしれません。
更年期障害とよく似た「自律神経失調症」の症状
・更年期障害の症状がひどい
・日常生活が普通に遅れないほどで、寝込むこともある
・精神的な不調がとくにひどい
「自律神経失調症」とは、一体何なのでしょうか?また、「自律神経失調症」と「更年期障害」の違いとは?
詳しくご紹介していきましょう。
「自律神経失調症」って、一体何なの?
「自律神経の乱れが原因の不調」=「自律神経失調症」
「自律神経失調症」とは、その名の通り、「自律神経が正常に働かない」ために起こる病気のこと。
自律神経は、「交感神経」と「副交感神経」の2つのバランスが崩れ、その状態が続くと、心身をうまくコントロールできなくなり、さまざまな不調が現れます。
「更年期障害」は女性ホルモン、「自律神経失調症」は他に原因
実は、「更年期障害」も、「自律神経失調症」のひとつ。
心身に現れる症状も、ほとんど同じですが、この2つの違いは、「自律神経を乱している原因が違う」ことにあります。
「更年期障害」は、「女性ホルモンの減少」が自律神経を乱す疾患です。
卵巣から出るホルモン自体が減少し、「自律神経」の指令通りに「ホルモン分泌」ができなくなる」ために、指令を出したほうの「自律神経」が乱れて起こります。
これとは別に、「自律神経失調症」の場合は、「原因が別にある」のが特徴です。症状は似ていても「原因が違う」ため、婦人科で更年期治療を受けてもほとんど改善しません。
「ホルモン減少以外」に原因があるわけですから、いくらホルモン補充をしても、自律神経の乱れが一向に収まらないのが、自律神経失調症です。
「自律神経失調症」が起こる原因とは?
では、「自律神経失調症」が起こる原因は、何なのでしょうか?
その主な原因は、以下の5つ。詳しく解説していきましょう。
更年期になる前から、「急に立ち上がるとめまいがする」などの症状があった人は、もともとの体質が原因の可能性があります。
これは、体質的に「自律神経のバランスが悪い人」で、交感神経と副交感神経の入れ替わりが難しく、虚弱体質な方に多く見られるケースです。
神経質な性格の方や、心配性な性格の方は、「脳内の大脳皮質」が常に緊張しているため、その近くにある「視床下部」も常に刺激を受けてしまいます。
「視床下部」は、自律神経の司令塔がある場所で、この過剰な刺激が原因で、自律神経が乱れてしまいます。
「睡眠不足」「食事時間がまちまち」「運動不足」などの要因が重なると、24時間周期でバランスを保つ「自律神経」が乱れてしまいます。
自律神経の中枢部=「視床下部」に過度の負担がかかるため、バランスを保つことができなくなります。
「暑すぎる場所」や「寒すぎる場所」に長くいる人は、体温を調節するために、自律神経が過度に働くようになります。
「体力的に疲れる状態」が続いている人も同じ。これが原因で、自律神経に乱れが出ます。
「不安」「緊張」「抑うつ状態」が続くと、これも大脳皮質を緊張状態にします。
これが原因で、近くにある「視床下部」が過度に刺激され、自律神経のコントロールが難しくなります。
更年期障害と自律神経失調症、見分け方は?
血液検査でホルモンの減少値を調べる
では、今出ている不調。症状が同じなら、どう見分けるのでしょうか? これを見分けるには、やはり「婦人科でまず検診」する必要があります。
婦人科を受診すると、血液検査や超音波検査などで、卵巣の状態を調べることになります。
女性ホルモンの減少値は、血液検査で判明します。「ホルモンの減少値」があまりに急激な場合は、「女性ホルモンが原因」と考えることができますから、HRT(ホルモン補充)などの治療を検討します。
原因がダブルの場合も多い
「女性ホルモン」は減少しているものの、それほどひどい減少値ではない場合、ほかの原因が「自律神経」を乱している可能性が高くなります。
婦人科検診では、カウンセリングなどを同時に行う場合が多いため、思い当たる状況を医師に伝えて、主な原因を探っていくことになります。
精神的なストレスが一番の原因と考えられる場合は、婦人科よりも、心療内科での治療を優先する場合もあります。
更年期障害がひどい人は、両方に原因があるのがほとんど?!
「自律神経失調症」は、年齢にかかわらず発症する病気ですが、更年期女性の場合、ほかの年代よりも「ホルモンバランス」が崩れているため、症状がひどくなりがち。
つまり、「ホルモン減少」+「ほかの要因」が、重なっている可能性があります。
とくに、この時期にストレスを受けると、このダブルパンチを受けやすくなりますから、「原因となるストレスはできるだけ避ける」こと。今までよりも、ペースダウンして生活する工夫も必要になります。
「自律神経失調症」の改善方法は?
原因そのものを改善するのが先決!
自律神経失調症を改善するためには、とにもかくにも、原因を解決するのが先決。
「体質的」な問題の場合は、適度な運動で「自律神経の機能をUP」させたり、「生活習慣」が原因の場合は、習慣自体を見直す必要があります。
性格や考え方、ストレスが原因の場合も同様。この場合は、「考え方を変える」「ストレスから離れる」などの工夫は必要不可欠。
カウンセリングを受けるなど、プロの手を借りることも、症状改善に有効です。
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