更年期ストレスとの上手なつき合い方|「介護ストレス」に対処する10の方法

更年期ストレスとの上手なつき合い方3|「介護ストレス」に対処する10の方法

更年期の年齢になると、その親世代は、みんな70代以上になっています。

 

このくらいの年になると、どうしても他人事ではなくなるのが「介護」の問題。

 

「年を取ったんだから、仕方がない」と割り切っていても、介護の重圧が重くのしかかってくると、どうしても大きなストレスを抱えてしまいます。

 

しかも、「終わりがない」と感じれば感じるほど、ひどく憂うつになってしまって、心身ともに疲れ果ててしまいます。

 

こんな強いストレスは、更年期の不調をさらにひどくする要因になりますから、何とかして対処しておきたいものです。ここでは、介護問題を抱えたときのストレス対処法について、ご紹介していきましょう。

 


介護ストレスを弱めるカギは「セロトニン」にある

育児とは違って、老人介護というものは、ゴールがありません。

 

子供なら、いつか手がかからなくなって巣立っていくものですが、老人の場合はこの先手が離れるということは、ほぼありません。そのため、育児のときよりも遥かに強いストレスを抱え続けることになって、毎日が憂鬱で仕方がなくなってしまいます。

 

このストレスを少しでもやわらげるために必要なのは、癒しホルモン「セロトニン」を活性化させることです。「セロトニン」は、脳内で分泌される重要な神経伝達物質で、「心の安定」と深い関わりがある癒しホルモンです。

 

憂鬱で仕方がなくなる方は、このセロトニンがうまく分泌されず、イライラが募る「ノルアドレナリン」という脳内物質が増えて、すぐにキレてしまいます。

 

セロトニン、ノルアドレナリンの詳細記事はこちら⇒更年期の精神的なストレスに関わっている!3つの脳内物質とは?

 

「セロトニン」は、この「ノルアドレナリン」を抑える働きもあるホルモンですから、まず、セロトニンをうまく分泌させる必要があります。
「まぁ、仕方ないか!」「何とかなるわ!」と思えるためには、この「セロトニン」をうまく働かせるのが何よりも重要な対処法になります。

 


セロトニンを働かせるには、どうしたらよいの?

「セロトニン」は、午前中に活性化されやすい特徴があります。

 

特に、朝は、「あぁ、またいつもの日常が始まる…」とうんざりしやすい時間帯ですよね。それだけに、午前中はできるだけセロトニンを出すようにするだけでも、そのあとが随分変わってくるものです。

 

「セロトニン」を出す方法は、いくつも選択肢があります。できそうなことから、始めてましょう。

 

朝の太陽の光を浴びる

「セロトニン」は、太陽の光を浴びると、神経が活性化されて分泌量が増える傾向にあります。

 

時間は、30分程度でOK。直接、光を浴びなくても、窓の外の光を眺めるだけでも構いません。できるだけ、午前中の光を見ることが大切です。

 

リズム運動をする

 

「お手玉」や「ウオーキング」など、一定のリズムがある運動は、セロトニン神経を活性化させます。

 

「そんな時間は取れない」と思うときは、「ごはんを一口30回以上噛む」だけでもOK。リズミカルな動きを続けるだけで、神経が活性化されやすくなります。

 

お年寄りと時間の周期をあわせてみる

 

お年寄りの病気にもよりますが、特に夜に徘徊してしまうなどの認知症患者の場合は、眠りの周期をお年寄りに合わせてしまうだけでも、心が楽になります。

 

お年寄りの場合、お昼間などにうたた寝していることが多いものです。そんなときは、一緒に昼寝をしてしまいましょう。気を張り詰めている時間は、少なければ少ないほど楽になります。

 

泣きたいときは思いっきり泣く

 

介護を続けていると、泣きたくなることもしばしばあります。

 

そんなときは、家族の前であっても、子供のように思い切って泣いてみると、ストレス解消に大いに役立ちます。感情が動いて流す涙は、セロトニンを一気に増やす特徴があります。

 

「泣きたいときには思いっきり泣く」。

 

不満があるなら、思いっきり吐き出してしまうこと。吐き出すという行為自体が、気持ちを切り替える「スイッチ力」になります。

 

誰かに気持ちを吐き出す

 

出来れば、家族に気持ちを聴いてもらう。自分の思いを伝える。

 

それは、仲の良い友達でも構いません。

 

自分の思いを、誰かに共感してもらう。これだけで、「脳内の共感脳」が働いて、セロトニンも分泌されやすくなります。

 

このとき重要なのは、「共感」です。人間は「共感する気持ち」が働くと、心も安定しやすくなります。

 

どんなにイライラしていても、このときは「けんか腰ではなく、できるだけ穏やかに話をする」方が相手も気持ちを合わせてくれやすくなります。できるだけ心を落ち着けて、話をしてみるのもおすすめです。

 

大声で話す。歌う。

 

「リズム運動がセロトニンを活性化させる」とご紹介しましたが、「大声を出す」「歌う」行為もそのリズム運動で受ける恩恵と似たものがあります。

 

大声を出すと、腹から声を出すことになりますから、「腹式呼吸」と同じ効果があります。

 

腹式呼吸は、自律神経のひとつ「副交感神経」を活性化させる働きがあり、これも精神安定に貢献します。

 

また、「歌う」ことも、同じように腹式呼吸になりやすい上に、リズムに乗ることができますから、脳内の神経も働きやすくなります。たまには、ストレス発散にカラオケにいくのも、うまい対処法のひとつです。

 

お年寄りを将来の自分だと思うこと

 

介護をしている相手に、つらく当たってしまうこともあります。

 

でも、そうすることで、予想以上に自分の心も傷ついてしまうものです。

 

いま、目の前にいるご両親、義父母は、20年後のご自身の姿かもしれません。

 

たとえ、今の状態が記憶に残るのだろうか?と思えても、昔と同じように、お年寄りも頭でいろいろ考えているはずです。ご自身の状況を憂えているに違いありません。

 

介護している相手を、自分だと思ってみること。当事者の気持ちを想像してみると、ストレスも少しは楽になるかもしれません。

 

子供のころの写真を見る

 

昔のアルバムを広げてみましょう。

 

実のご両親の場合なら、そこには、赤ちゃんの頃のご自身を温かく見守るご両親の姿があるのではないでしょうか。

 

義父母の場合でも、パートナーの子供のころの写真を眺めてみると、違う見方ができるかもしれません。

 

もし、子供のころのご両親との思い出がつらかった記憶しかない場合。ご両親の子供のころの写真を眺めて、「いまは子供と同じ」と割り切ってしまうのも、ひとつの手です。

 

肩をトントン!スキンシップも効果的

 

人間は、人と触れ合うと脳内の「オキシトシン」という母性ホルモンが湧き出すようにできています。

 

人のぬくもりを感じたり、人と目を合わせて話をするだけでも、女性の場合は母性本能にスイッチが入りやすくできています。

 

ご両親の肩をトントンと叩いてあげたり、もし可能なら叩いてもらったり。ぬくもりを感じることができることに、トライしてみましょう。

 

また、介護をしている相手ではなく、ご家族に肩をたたいてもらったりするだけでも、心は安定しやすくなります。これは、近親者ではなくても、マッサージサロンでやってもらうだけでもOK。
息抜きもかねて、出かけてみるのも得策です。

逃げ道もあると思うことも大切です

「どんなに頑張っても、もう無理!」。そんな状況に陥ることだってあります。

 

本当に、どうしてもだめだと思ったら、逃げてもよいのです。人間は追いつめられると、どうしようもなくなってしまう生き物です。
「逃げ道」があると思うだけで、心は楽になります。

 

実際に、その逃げ道を選ぶかどうかはともかく、逃げ道がないと思うとすぐに参ってしまいます。そして、本当に逃げてしまったとしても、誰もご自身を責めることはできません。
自分で自分を追い詰めないことが、何よりも大切なストレス対処法です。


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