更年期の月経過多|450回も?月経回数は昔の3倍!月経過多を解消する方法
皆さんのおばあさんの世代に比べて、いまの私たちの生涯月経回数は、約3倍にもなっていることを、ご存知でしょうか?
昔の女性は、ひとりで4〜5人もの子供を産むのが、当たり前の世代。
子供を産む回数が多いと、その間、月経は止まります。
戦前の女性の出産数は、だいたい4〜6人。仮に、5人の子供を産んだとすると、10年くらいは、月経も排卵もなく過ごしている計算です。
昔の世代は、生涯に起こる月経回数が、150回くらいでしたが、いまの女性は、450回も生理が来ています。つまり、卵巣が常に働いている状態が、いまの更年期世代なのです。
更年期の月経過多が起こっている方は、この卵巣の働きすぎも、不調の原因のひとつかもしれません。
更年期女性の卵巣は働きすぎ!? 450回もの月経が起こる更年期世代
月経が、毎月順調に来ることは、健康の証。
とはいえ、ここで意識しておきたいのは、月経は、卵巣と子宮に負担を与えます。
まずは、月経が起こるとき、カラダの中で何が起こっているのかを、おさらいしておきましょう。
月経が起こる前には、ほぼ必ず排卵が起こります。月経が起こる、約2週間前です。
まれに、無排卵月経が起こることもありますが、基本的には、卵巣の中にある「卵胞」が破裂して、中から卵子が出てくる状態です。
すると、子宮内膜が厚くなり、いつでも赤ちゃんを宿せる体勢ができます。時間がたち、妊娠しないとわかると、この厚くなった内膜が剥がれ落ちます。
これが、月経です。
このように、毎月、卵胞を破り、子宮内膜を剥がすわけですから、実は、子宮も卵巣も、相当の負担があります。これを、長年繰り返すと、卵巣も子宮も疲れてしまうわけですね。
私たち、更年期世代の女性は、昔世代とは違って、出産数も少なく、また、晩婚や非婚で子どもを持たない人も少なくありません。
つまり、月経回数自体が、昔の世代に比べて、格段に月経が多い状態なのです。
実に、生涯に450回も!生理が起こるのですから、本当に、大変です。
この卵巣の働き過ぎが、更年期世代のカラダのトラブルになっている場合があります。
とくに、若いころから、月経が来る度に不調を感じていた方は、要注意!
卵巣の疲れを癒して、うまく月経をコントロールするという手法も、更年期の症状を緩和するひとつの秘策になる可能性があります。
月経過多には低用量ピルが効く!月経をコントロールして子宮を休めよう
更年期の月経不順の中で、比較的初期に見られるのが、月経過多です。
1か月に、2回も生理が来たり、周期も乱れがち。
月経に伴う出血量が多い方も、少なくありません。
このような症状を抑えるためには、月経の周期をコントロールするピルを活用するのが、得策です。
【月経過多に効く!ピルとは?】
ピルとは、避妊薬という印象が強いかもしれませんが、基本的に、排卵をコントロールするお薬です。
ピルに含まれているのは、2つの女性ホルモンです。
2つの女性ホルモンとは、エストロゲン(卵胞ホルモン)と、プロゲステロン(黄体ホルモン)のこと。
ピルを服用すると、プロゲステロンが優位な「黄体期」に近い状態が維持されます。
すると、女性ホルモンの分泌を促す脳が勘違いして、排卵の指示を送らなくなります。
つまり、卵巣がお休みする状態になり、月経不順を改善し、生理の出血量を抑えることもできます。
ピルを飲んでも生理は来る!「ピルの基本的な服用方法」
ピルを飲むと、排卵は止まりますが、生理がなくなるわけではありません。
服用方法は、いろいろありますが、基本的には、28日を1周期と考えて、21日間、1日1錠を服用します。
21日間飲み続けたら、服用をお休みします。すると、2〜3日で、月経が起こります。
その場合、月経期間は5日前後で、出血量は、それほど多くはありません。
服用をやめれば、自然な月経に戻りますので、あまりにもひどい月経不順に悩まされているなら、まずは、試してみるのが得策です。
ピルを服用するには、婦人科を受診する必要があります。
いま抱えている更年期のほかの症状によっては、ピルよりも、HRTのほうが向いている場合もありますので、まずは、医師と相談してみましょう。
ピルとHRTをうまく使い分けるのも、手!
40歳前後の不調には、低用量ピルとサプリ。
閉経が近くなる45歳以上からは、HRTや治療薬。
状況にあわせて、使う手法の組み合わせを変えるのも、ひとつの手です。
いろいろな判断に使える情報をまとめています。
こちらも、あわせてチェックしてみてください。
更年期の月経|もしかして病気?!月経の出血量が多すぎるときの対処法
更年期のホルモン補充|効果が異なる「HRT」と「低用量ピル」。その違いとは?
関連ページ
- 更年期の治療|更年期の症状を引き起こす!3つの原因とは?
- 更年期障害の3つの原因のうち、何が根本的な原因なのかを知ると、効率のよい治療方法がわかります。あなたの更年期障害の一番の原因を調べましょう。
- 更年期の治療|更年期障害の検査内容とは?
- 自己診断だけではなく、本当に、更年期障害なのか?お医者さんに診てもらうのが、一番安心といえば、安心です。とはいえ、婦人科系の検査となると、「でも、どんな検査をするのか不安…」という方のために検査方法についてご紹介します
- 更年期の治療|婦人科で行われている3つの治療方法とは?
- 「更年期障害」という、診断結果がでた場合、病院では、どのような治療が行われるのでしょうか? 代表的な例を、ご紹介していきましょう。主な方法は3つあります。どれを選択するかは医師との相談になります。
- 更年期の治療|ホルモン補充|HRT治療で行うホルモン補充と薬の種類
- 更年期障害のHRT治療では、どんな薬を使うのでしょうか?ここでは女性ホルモン補充剤として使用されている薬についてご紹介します。
- 更年期の治療|ホルモン補充|効果が異なる「HRT」と「低用量ピル」
- 更年期障害のHRT治療と低用量ピルの効果の違いについてご紹介しています。症状にあわせて、どちらを使うのかを医師とよく相談しましょう。
- 更年期の治療|ホルモン補充|HRT治療のリスクと副作用とは?
- HRT治療には、リスクもあります。個々人の症状は、千差万別ですから、必ずしも、トラブルが出るということではありません。でも、どんなリスクがあるのかを、知っておくこと。これは、治療を受ける側としては、重要なことです。ここでは、リスクの具体的な例を、ご紹介しておきましょう。
- 更年期の治療|HRTを使いたくない場合の治療法
- HRT治療を受けたくない場合の治療方法をご紹介しています。主な方法は、3つあります。中でも人気があるのは漢方治療ですが、他にサプリメントや食事療法という選択肢もあります。
- 更年期の治療|更年期治療で使う「漢方薬」ってどんなもの?
- 更年期障害の漢方治療の内容についてご紹介します。漢方薬は個人の体質によって、処方される薬はさまざまですが、ここでは、代表的な更年期障害の処方薬をご紹介します。
- 更年期の必須栄養素|更年期に摂るべき「症状に効く10大栄養素」
- 女性ホルモンをUPさせる10大栄養素とは?HRT治療以外の方法を探している方に、手軽に始められる栄養補給方法のひとつがサプリメント。食事で補えないものをサプリメントで摂取して、症状緩和につとめましょう。
- 更年期の必須栄養素|女性ホルモンと似た効能がある「大豆イソフラボン」
- 大豆イソフラボンは、女性ホルモンの「エストロゲン」と似た働きをする栄養素です。イソフラボンは、大豆の芽となる場所に多く含まれる、抗酸化物質の1種で、老化の原因となる、「細胞の酸化を防止」する役割もあり更年期におすすめの栄養素です。
- 更年期の必須栄養素|のぼせやイライラに効く「ビタミンE」
- ホルモンバランスを整え、更年期に欠かせない効果があるのがビタミンEです。のぼせや多汗症、イライラの症状がある方にとくにおすすめです。 しかも、老化防止にも有効!というおまけつき!ここでは、ビタミンEについてご紹介していきましょう。
- 更年期の必須栄養素|イライラ、精神不調を抑える「カルシウム」
- イライラする、心が落ち着かない…更年期の心の不調に効果があるのが「カルシウム」です。充分なカルシウムがとれれば、症状の緩和や改善が期待できます。
- 更年期の必須栄養素|精神的な落ち込みを緩和する「亜鉛」
- 更年期障害に効く!ミネラルのひとつ、亜鉛の効能をご紹介します。亜鉛には、精神的な落ち込みを防止する役割があり、ホルモンバランスの乱れを整えてくれます。
- 更年期の必須栄養素|冷え症改善・血流促進に効く「ビタミンB1」
- 冷え性などの血行不良がある方におすすめの栄養素がビタミンB1です。血行不良は、ほかのさまざまな症状も引き起こしますから、この栄養素をおさえておくことは症状全般を緩和させる効果があります。
- 更年期に効くアロマ|女性ホルモンのバランスを整えるアロマの効能
- 更年期障害の症状を緩和するアロマオイルとは?おすすめのアロマと効能をご紹介します。思い当たる症状に合うアロマを選んでみませんか?
- 更年期に効くアロマ|医師が薦める「更年期不調に効く」アロマ活用術
- 更年期の不調は、ホルモンバランスが崩れ、自律神経が乱れて起こる症状です。 女性特有の不定愁訴といわれるもので、閉経までの間、「何だか不調…」という状態が長く続くことも珍しくありません。 不調がひどい場合は、ホルモン補充療法などを受けるのが得策ですが、補完療法としておすすめなのが「アロマセラピー」です。アロマの起源は古く、「西洋の漢方」ともいわれる伝承医学ですが、最近では、実際に医療現場でも、更年期の治療にも活用され始めています。 ここでは、その医療現場にいる医師がおすすめしている「アロマセラピー」の活用術をご紹介していきましょう。
- ちゃんと知っておきたい!「アロマオイル」が更年期不調に効くしくみ
- 「アロマオイル」は「癒し」だけではなく、「不調改善」にも効果があります。 でも、何となく「効く」というのは知っていても、その理由や仕組みまでは、あまりご存じない方も少なくありません。 アロマオイルは、直接肌につけてマッサージしたり、香りをかいだり、ときには、お風呂に入れたりして使うもの。食べ物のように、胃や腸から吸収するわけではありません。 では、どんな仕組みで不調を改善してくれるのでしょうか?
- 更年期に効くハーブ|体と心に効果あり!おすすめハーブティー15選
- アロマオイルと同様、ハーブティーも、更年期の症状を緩和させる効果があります。もともと、ハーブとアロマオイルの原料は、同じ。茶葉にして飲用するか、オイルにして利用するかだけの違いです。 ハーブは、成分が凝縮されたオイルとは違って、飲むことができるので、手軽さも抜群!作用もゆるやかなので、オイルが苦手という人でも、簡単に始めることができます。
- 更年期のサプリ|女性ホルモンを補う!世界各地の7大特効サプリ
- 日本はもちろん、世界各地には、昔から伝承されてきた、更年期の症状を緩和する食材がたくさんあります。例えば、ペルーの「マカ」や、アメリカに生息する「ワイルドヤム」。聞き覚えのある食材も、多いのではないでしょうか?
- サプリと医薬品の違いとは? 症状で使い分けたい「更年期サプリと医薬品」
- 更年期になって体験する、さまざまな体調不良…。 あまりにも症状がひどい場合は、やっぱり医者にかかるべきですが、軽い症状や予防なら、うまく利用したいのが、サプリと市販薬です。そもそも、サプリメントと市販している医薬品は、何が違うのでしょうか? また、どう選び分ければ、よいのでしょうか? わかりやすく解説していきます。
- 更年期の不眠症|「不眠」にはサプリも有効!睡眠薬を使う前に試したい6成分
- 良く眠るためには、バランスのよい食事が基本。 糖質やたんぱく質、ビタミン、ミネラル、適度な脂質を摂ることで、「よく眠れる」下地ができあがります。普段の食事に注意しながら、足りない栄養素をサプリで補えば、より効率よく睡眠改善できます。ここでは、その方法と効果のある6つの成分(サプリ)をご紹介していきましょう。
- 「更年期の初期症状に試したい!」40代前半の女性におすすめサプリの選び方
- 更年期症状の女性向けには、さまざまなサプリや医薬品が出ていますが、40代前半の女性におすすめなのは、足りない栄養を補うサプリメントです。症状が軽いうちなら、原因となっている栄養成分の補充でかなり症状が緩和します。