更年期の症状|経血過多|もしかして病気?月経の量が多すぎるときの対処法

更年期の月経|もしかして病気?!月経の出血量が多すぎるときの対処法

更年期を迎えると、「月経過多」に悩まされることがあります。

 

夜用ナプキンを使っても、漏れてしまうほどの出血量になることも、珍しくありません。自宅にいるときはともかく、外出時の出血過多も、大きな悩みの種になってしまいます。

 

そもそも、更年期の月経過多の原因は、何なのでしょうか?ここでは、その原因と対処法について、ご紹介します。


「更年期の月経過多が起こる原因とは?

更年期は、女性ホルモンが減少して、月経にも乱れが起こります。しばらく、月経が来なかったり、周期が乱れたり。

 

月経の出血量が増えたり、減ったりするのも、まず第一に考えられるのは、更年期の「女性ホルモンの乱れ」が原因です。

 

ただ、ここで注意したいのは、その原因が、ほかの病気にある場合があることです。

 

例えば、「子宮筋腫」。子宮筋腫とは、エストロゲン(女性ホルモンの一種)と関係のある良性の腫瘍です。

 

今まで気づかずに、子宮筋腫をかかえている場合も多く、40代の女性の4人に1人に、子宮筋腫があるといわれるほど!子宮の内側に、筋腫ができると、出血量は増加し、月経過多になります。

 

子宮筋腫は、米粒ほどの小さいものなら、それほど心配することはありませんが、出血量だけではなく、ひどい痛みを伴う場合は、治療が必要になってきます。

 

更年期になってから、子宮に筋腫ができることも珍しくはありませんが、子宮筋腫自体は、閉経すると、徐々に縮小していきます。

 

ただし、筋腫がある人は、エストロゲンの量が多い傾向が強く、閉経時期は、平均年齢よりも遅くなりがちといわれています。異常が長引くようなら、「閉経まで放置」するより、早めに受診するほうが安心です。


どうしても月経過多を何とかしたい!場合の治療法

いくら自然な体の変化とはいえ、ナプキンでは対処できないほどの出血量がある場合、のんきに構えている場合ではありませんよね。

 

でも、あの婦人科の雰囲気がどうしても苦手…という方も、少なくないのではないでしょうか。検診のときの、あの検査のようなことを毎回するのは、うんざりしそうで怖いものです。

 

とはいえ、月経過多を放置しておくと、慢性的に貧血になってしまうこともありますから、注意が必要です。この場合、もし、婦人科で治療をするとしたら、どんな治療になるのでしょうか?

 

「月経過多の治療は、低用量ピルを服用するとコントロールしやすくなる」

 

ピルといえば、避妊薬というイメージが強いかもしれませんが、月経不順や月経過多の治療にも有効な薬です。

 

治療に使われる低用量ピルは、2つの女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)を含んでいる、女性ホルモン剤。これを服用すると、乱れている月経をコントロールすることができます。

 

具体的な効能はこちらの通り。

 

低用量ピルの効能
@排卵を抑えて、子宮内膜が厚くなるのを防ぎ、出血を減らす
A月経リズムを整えることができる

 

低用量ピルを服用する場合、2種類の服用タイプがあります。

 

1つは、ホルモンの周期に合わせて、「21日間のみ服用して7日間休養」する「21日タイプ」。

 

もう1つは、「休養期間もホルモン剤が含まれない偽薬を飲んで治療する」タイプです。この休養期間に、月経が起こる訳ですが、通常の出血よりも量が少なくなります。


低用量ピルを飲むと、なぜ出血量が減るの?

低用量ピルを飲むと、経血量が減るのは、体内でこのような変化を起こすためです。

 

低用量ピルの作用
@低用量ピル(錠剤)を服用し、女性ホルモンを調整する(1日1錠)
A血液中のホルモン量が一定に保たれます。
B脳から排卵の指令が出なくなります。
C排卵がなくなり、子宮内膜が通常よりも薄くなります。
D子宮内膜が薄くなるので、出血量が少なくなります。月経時期も、特定できます。

 

低用量ピルは、婦人科で処方してもらえます。毎回いやな検査を受けることは、ほとんどありませんので、出血量があまりにも多い場合は、対処法のひとつとして検討してみましょう。

 

低用量ピルが使えない人もいるので注意!

 

大助かり!の低用量ピルですが、以下のような事例に当てはまる人は、使用できませんので、注意が必要です。

 

低用量ピルが使えない人
@高血圧の人
A1日15本以上、タバコを吸う人
B乳がんや子宮がんにかかっている人

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