更年期になると「加齢臭」が起こるのは、なぜ?
「チーズのような臭いがするといわれてショック」「毎日、お風呂に入っているのに、体臭がするようになった」「着ていた服の襟もとに、1日で臭いがつくようになった」。
このように、40代を超えると、女性の場合も「加齢臭」が気になり始めます。
男性に比べると、比較的症状は軽めの場合が多いものですが、若いころとは明らかに違う体臭がにじみ出てきます。
しかも、自分ではなかなか気づかないため、実際にどのような匂いが出ているのかわかりにくく、対処が難しいのが現実です。
家族や親しい友人から、「ちょっと、臭うよ」といわれて、初めて自覚するというケースも、少なくありません。まず、匂いの原因と考えられるものについて、解説しておきましょう。
女性ホルモンが減少すると、汗腺の分泌量が多くなる?!
女性ホルモンの減少は、自律神経を乱す原因になります。自律神経は、汗を出す調整をする神経ですから、この汗腺の働きが匂いの元を作ります。
まず、汗には、2種類の汗があります。
1つは、「エクリン汗腺」の汗です。通常の汗は、このエクリン汗腺で、汗そのものは無臭です。暑い時に、皮膚から自然と出る汗で、サラサラしています。
比較的、匂いの元にはなりにくいのですが、放置しておくと皮脂と入り混じって、匂いの元になる場合があります。このエクリン系の汗腺は、全身にあります。
もう1つが、「アポクリン汗腺」の汗で、毛穴と同じ場所にあるため、普通の汗と比べるとねっとりたした汗です。主に、体臭の元になるのは、この汗です。成分に、アンモニアや尿素が含まれています。
この汗は、皮膚の常在菌と入り混じると、酸化して、独特の匂いを発します。ワキガの方の汗は、主に、この汗腺から出る汗が、原因です。
アポクリン汗腺があるのは、脇の下や、デリケートゾーン、肛門の周辺など、固い毛がある場所に集中しています。
女性の加齢臭の源も、やっぱりアポクリン汗腺が主要因。デリケートゾーンや、脇の下周辺が臭うケースが多く、この部位を清潔に保つ必要があります。また、頭皮や、耳の後ろ、首の後ろ。背中や胸元が、臭いの元という場合もあります。
更年期の加齢臭!どうすればいいの?
自律神経が乱れている原因を、まず、正すことが必要です。女性ホルモンを補う栄養素を摂ったり、睡眠不足やストレスを緩和することも重要です。
この自律神経は、ストレスが強いと加速度的に乱れ始めますので、この乱れを整える対策が必要です。
また、喫煙やアルコールの取りすぎ、過食傾向がある場合も、体臭が出やすい原因になります。食生活や生活習慣の改善を始めましょう。
常に、体を清潔に保つこと。出来るだけ、湯船につかり、体を温めること。この2つは、必須条件です。
入浴も、できれば、半身浴がおすすめです。半身浴の場合、自然と上半身から汗が出るため、汗腺につまった皮脂汚れを落とすことができます。
臭いは、皮膚の汚れや皮脂と、皮膚の常在菌が重なって、出るものです。まず、これを防止することが必要です。
とくに、頭を洗う際は、髪の毛を洗うというよりも、頭皮を洗うことを、意識しましょう。臭いの元は、頭の汗腺にあります。
臭いは、皮膚が蒸れることでも、発生しやすくなります。とくに、デリケートゾーンは、ガードルやストッキングなどで、常に締め付けられています。そのため、皮膚が常に湿っている状態になりやすいものです。
生理の期間は、これにナプキンが加わりますから、要注意です。こまめに、ナプキンを取り替え、むれないようにすることも、臭い防止に役立ちます。
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