更年期の症状|難聴|「耳が聞こえにくい」「耳鳴りがすることもある」
40代〜50代に迎える更年期。この時期は、色々な不調が起こりやすい時期。
「耳が聞こえにくくなってきた」「突然、聞こえなくなった」という、『耳のトラブル』もこの年代から増加してくる不調のひとつです。
「耳が聞こえにくくなる」は、実は、女性ホルモンの減少ではなく、「加齢」が主な原因です。また、生活習慣が原因となっている難聴もあり、いずれにしても早めの対処が必要です。
ここでは、「耳が聞こえにくくなる」原因と「考えられる病気」、「対処法」について、ご紹介していきましょう。
「耳が聞こえにくくなる」のは、なぜ?
人間、年を取ればとるほど、「耳が遠くなる」ものです。おじいちゃんやおばあちゃんも、耳が遠い人が多いですよね。
これは、「加齢に伴う聴力の衰え」が原因で、「老人性難聴」といわれるもので、補聴器が必要になることも少なくありません。
一般的には、「老人性難聴」は、50代後半〜60代になると増加する症状ですが、早い人の場合は、40代、50代でも「老人性難聴」になることがあります。
まだ40代、50代前半なのに、聴力の衰えが激しい人は、遺伝の可能性もあり、この場合、治療をしても、難聴を回復させるのは難しいのが現状です。
ただ、この年代の場合、「老人性難聴」以外にも、「耳が聞こえにくくなる」病気があります。その代表格が、「突発性難聴」です。
「突発性難聴」とは、「ある日突然、片耳だけ聞こえにくくなる」症状で、「耳鳴り」を伴うことも少なくありません。症状が軽いと、自然と治ることもありますが、2週間以上この状態が続くと完治できる可能性が極端に低くなります。早めに、病院で治療を受けるのが何より大切な対処法になります。
また、「メニエール病」という病気の場合も、「耳が聞こえにくくなる」症状が出ます。突発性難聴ほど急を要しませんが、「一度発症すると何度も繰り返す」ため、耳鼻科での治療は不可欠です。
そのほかにも、「子供のころに患った急性中耳炎を放置したことが原因」で起こる「慢性中耳炎」や、大音量の音楽を長時間聴くと起こる「急性音響性難聴」という可能性もあります。
思い当たる症状はどれ? 病気の可能性は?
現在起こっている症状から、何が原因で「耳が聞こえにくい状態なのか?」は、ある程度推察することができます。
気になる状態が続いている方は、なるべく早く診察を受けるのが得策です。
「昔と比べて、何となく、両耳とも聞こえづらい」
加齢による「老人性難聴」の初期症状の可能性があります。この場合、高音域の音から聞こえづらくなりますが、初期の段階では日常生活に支障をきたすほどではない場合も。
老人性難聴の初期症状は、聴力検査でわかりますので、耳鼻科で検査を受けてみましょう。
「突然、片方の耳が聞こえにくくなった」「耳鳴りやめまいもする」
「突発性難聴」の可能性があります。放置しておくと、完治する可能性が極端に低くなりますから、一刻も早く病院へ!
「昔、急性中耳炎の治療を途中でやめたことがある」
「慢性中耳炎」や「滲出性中耳炎」からくる難聴の可能性があります。
耳の奥にある鼓膜の振動が悪化すると、耳が聞こえにくくなります。治療を受ければ治る病気ですが、手術を受ける必要があるケースも。
「いつもヘッドホンで音楽を聴いている」
大音量の音が内耳の負担になって起こる「急性音響性難聴」の可能性があります。ただちに、音楽を聴くのをやめて、病院へ!
「人から声をかけられても気づかないことがある」「めまいや頭痛もある」
「脳梗塞」や「脳出血」などが原因で起こる脳血管障害の疑いがあります。とくに、頭痛がある場合は危険です。すぐに、脳神経外科の診察を受けましょう。
「難聴」を予防するにはどうしたらいいの?
「老人性難聴」や「音楽性難聴」「慢性中耳炎」などは、原因がはっきりしていますが、ほかの難聴の場合、はっきりした原因がわからないケースがほとんど。
ただ、大きなストレスを抱え続けている方や、不規則な生活習慣を送っている人ほど、「耳トラブル」が多いのが実情です。
このような原因不明の難聴を予防するには、とにかくストレスをためないこと。不規則な生活を改め、とくに睡眠はしっかりとること。適度な運動も、難聴予防に役立ちます。
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